核医学検査学:シンチグラフィ
リンパ・抹消系シンチグラフィ
この記事の目次
センチネルリンパ節シンチグラフィ
検査要点
センチネルリンパ節とは腫瘍からリンパ流に入った癌細胞が最初に到達するリンパ節であり、領域リンパ節の中で初めに転移が生じるリンパ節である。このリンパ節を同定することで領域リンパ節全体の転移診断が可能になる。
薬品の特徴
99mTc‐スズコロイド・99mTc‐フィチン酸を使用している。
- 腫瘍一つあたり37~74MBqを目安に投与する。
- 静注ではなく皮下注もしくは皮内注する。
- 投与の際に1/50の確率で腫瘍じゃなく血管内にRIが入ることがある。99mTc‐スズコロイドだと肝臓にも集積してしまうため肝臓に集積したRIのカウントも写ってしまう。
収集方法
- 色素を腫瘍に注入する。
- 最初に注入した色素が流れ始めた箇所がセンチネルリンパ節。これは手術中に観察する必要がある。
- 色素される前にRIを腫瘍に投与。
- ガンマカメラで撮影。
- カウントが見られるところをセンチネルリンパ節として同定完了。
リンパ節シンチグラフィ
検査要点
悪性腫瘍や悪性リンパ腫・浸潤の程度評価に用いられる。
薬品の特徴
99mTc‐スズコロイド・99mTc‐フィチン酸・99mTc標識ヒト血清アルブミン(HSA)を使用する。
収集方法
薬品を皮下・皮内注射することでリンパ節にといこませて収集を行う。この際、液量は0.5ml以下にする。
骨髄シンチグラフィ
検査要点
全身の骨髄分布を検出し画像化する検査法。
薬品の特徴
- 111In‐chloride
造血骨髄の標識に用いられる。投与すると血清ランスフェリンと結合し、鉄イオンに類似した血中動態を示す。幼若赤血球に取り込まれるため造血骨髄が評価できる。 - 99mTc標識コロイド
骨髄網内系を撮像に用いられる。
前処理
なし。
収集方法
薬品を74MBq投与し48時間後に撮影する。全身の骨髄分布を撮影するために2検出器型シンチカメラが望ましい。コリメータは中エネルギーコリメータを使用する。
下肢静脈シンチグラフィ
検査要点
深部静脈の狭窄や閉塞及び側副血行路の描出ができる。
薬品の特徴
99mTc‐MAAが使用される。
前処理
背足静脈から投与するため足を温めておくのがよい。
収集方法
下肢から胸部にかけてホールボディ撮影を行う。
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