核医学検査学:シンチグラフィ
肝受容体シンチグラフ
この記事の目次
肝受容体シンチグラフィ
検査要点
正常幹細胞表面にはアシアロ糖蛋白受容体(ASGP‐R)がある。このASGP‐Rに放射性薬品が結合することで正常細胞へと取り込まれる。この検査ではビリルビン血症をはじめとする様々な肝機能予備能を定量評価することができる。
薬品の特徴
99mTc‐GSAが使用される。容量1mlの液体がバイアル封入されており、成人ではこの全量をボーラス注射する。
前処理
肝血流量の増加を防ぐため検査の6時間前は絶食とする。
収集方法
形態画像だけでなく定量値を得ることが主目的のためダイナミック収集を必ず行う。薬品を185MBq投与し、20分間のダイナミック収集を行う。その後位置の再確認を行った上で16分間のSPECT収集を行う。
- ダイナミック収集では心臓~肝臓まで入る位置でポジショニング。
- SPECT収集では脾臓が入る位置でポジショニング。
- 高分解能型低エネルギーコリメータを使用する。
処理方法
- ダイナミックデータは生データのままTACを作成する。
- SPECTはOS‐EMを主に使用している。
- 解析はTACによって定量解析が行われている。
- HH₁₅・LHL₁₅
心臓部と肝臓にROIを設定しそれぞれのTACを作成する。心臓部のTACの3分をH₃、15分をH₁₅とする。また、肝臓部のTACの15分のカウントをL₁₅とすると以下の式で表すことがきる。
* $HH₁₅=$$\frac{H₁₅}{H₃}$ 正常値:0.5~0.6
* $LHL₁₅=$$\frac{L₁₅}{H₁₅+L₁₅}$ 正常値:0.91~0.96
* 肝機能が悪ければHH₁₅は増加し、LHL₁₅は減少する。
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