核医学検査学:シンチグラフィ
脳脊髄腔シンチグラフィ
この記事の目次
脳脊髄腔シンチグラフィ
検査要点
脳脊髄液減少症における髄液漏出を調べるために最も信頼性の高い検査法として使用されている。
薬品の特徴
- 使用する薬剤は111In‐DTAPが利用される。
- 投与された111In‐DTAPは半減期5時間及び12時間の2相性の消失曲線に従い脳槽に移行する。
- その後生理的な脳脊髄腔の流れに従って上行し、脳底槽・脳表面クモ膜下腔へと移行し上矢状静脈洞に吸収する。
前処理
腰椎穿刺にて注入するための前処理に準ずる。通常穿刺前1時間は食事を避け穿刺後は安静にする。
検査プロトコル
- 脳槽シンチグラフィ(水頭症・脳脊髄液)
通常:3・6・24・48時間ごとに脊髄・頭部を撮像する。
脳脊髄減少症:ガイドラインに準ずると腰椎穿刺にて注入後、0・1・3・6・24時間ごとに頭部~膀胱部まで全身像を撮像する。 - 髄液漏(耳孔・鼻腔)
耳孔・鼻腔に予め脱脂綿などで栓をしておき、腹臥位・安静時にて注入する30分後に脱脂綿の放射能をウェルカウンタで計測する。
収集方法
- 脳脊髄腔シンチグラフィ
腰椎穿刺し髄液の逆流を確認後、穿刺針から111In‐DTAPを18.5~37MBqを注入する。
〈注入後〉
- 脳槽シンチグラフィ:頭部正面・後面・両側面をプラナー撮像する。
- 脊髄腔シンチグラフィ:頭部~腰部までのプラナー像・全身像を得る。
プラナー撮像条件:256×256マトリックスで1方向5分撮影
全身撮像条件:256×1024マトリックスで1mあたり7~10分撮影
- 髄液漏
脱脂綿を試験管内に挿入し、ウェル型シンチレータで測定。
解析方法
RIクリアランスの計算:脳脊髄液腔残存RI率の計算1~4手順。
- 注入直後0時間も撮像を基準に24時間までの画像を撮像。
- 1に対して物理的半減期による減弱補正を行う。
- 24時間後の全身像に対して関心領域を頭部・脊髄液腔に設定。
- それぞれ補正画像の関心領域値を0時間の画像の関心領域値で除算。
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