核医学検査学:シンチグラフィ
骨シンチグラフィ
この記事の目次
骨シンチグラフィ
検査要点
対象疾患(転移性及び原発性骨腫瘍、代謝性・炎症性骨疾患、骨折)などの疾患の診断を目的として検査が行われる。乳がん・前立腺がん・肺がん等は骨転移を生じやすく、ガンマカメラを用いた全身撮影を行うことで機能診断の評価が早期に行える。
薬品の特徴
99mTc‐MDP・99mTc‐HMDPを使用する。
- HMDP・MDPは骨を構成するハイドロキシアパタ中のリン酸基と類似しているため同部位に化学吸着することで診断できる。
- 投与から2~3時間で40~50%程度が集積(造骨が多いところに集積しやすい)
- 残りの50%は尿中排泄する。なので骨シンチ中は腎臓などの尿路系も描出されてしまう。
- 尿路系の描出によってハレーションが生じる。薬品が高濃度に集積するとCRT上で高輝度となり集積部位周辺で画像がにじむ現象。
- ハレーション対策として撮影前に尿を出しておく。
前処理
なし。
収集方法
- 99mTc‐MDP・99mTc‐HMDPを740MBq投与。
- 投与から2~3時間後全身像撮影。この際多方向撮影を行うことで解剖学的な骨の重なりを分離することができる。
- 追加撮影として病変部位や骨の重なる部位にフォーカスしてSPOT像かスタティック像を行う。
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