核医学検査学:シンチグラフィ
肺血流シンチグラフィ
この記事の目次
肺血流シンチグラフィ
検査要点
肺内の血流分布を観察できる検査法。体内の影響は検査画像に影響するため99mTc‐MAA投与時ならびに収集時には考慮する必要あり。
薬品の特徴
99mTc‐MAA(大凝集ヒト血清アルブミン)が使用される。
- 放射性微粒子(粒子径10~50μm)を静注。
- この微粒子を肺毛細血管に塞栓させる(全体の0.2%程度)。
- 48時間後には90%が尿中排泄される。
前処理
なし。
収集方法
99mTc‐MAA111~185MBqを仰臥位安静状態で静注し、LEHR型またはLEGP型コリメータを用いて撮像を行う。しかし肺高血圧の評価には座位にて投与を行う。投与から2分後ほどでスタティック収集を行う。
- スタティック収集
撮像方向を前面・後面・左右側面・左右後斜位(60度)の6方向を座位・臥位にて収集を行う方法。
処理方法
- 前処理フィルタ:Butterworth Filter
- 再構成フィルタ:Ramp Filter
- 処理方法:FBP
解析方法
- 左右肺野の血流分布比較
スタティック前面像および後面像の肺野にROIを設定し、左右肺野のカウント数の違いを比較する。 - 左右シャント率の定量
全身カウント(W)と肺野カウント(C)から測定。正常範囲値は15%以下。
$シャント率=$$\frac{W-C}{W}$
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