診療画像機器:画像・映像処理及び出力装置
X線映像処理装置
この記事の目次
X線画像処理装置
DR装置
特徴
CR以外の手段でX線画像をデジタル処理する装置を指す。I.IやFPDを用いたX線TV装置システムに用いられる。
DSA(DF)装置
特徴
I.IのTV装置システムのうち、血管撮影に用いるものをDF装置という。DR装置を用いて造影剤注入前後の画像をサブトラクションすることで血管像のみを抽出する技術をDSA(Degital Subtraction Angiography)という。
メリット
- リアルタイムで画像観察を行える
- コントラスト分解能は増感紙・フィルム系に比べて優れている(log変換で被写体厚依存を無くしているため)
デメリット
- 空間分解能は増感紙・フィルム系に比べて劣る
DSAの特性
各画素間で時間差が生じることによる差分不良が原因でミスレジストレーションアーチファクトが生じる。
アーチファクト対策
- リマスキング:ライブ像(造影中の像)とマスク像をピクセルシフトによって補正。体動補正に対しても効果がある。
- ライブ像の単純加算処理
- リカーシブフィルタの使用:ライブ像の時間分解能を補う重みづけ加算を行うフィルタ。線量不足による画質不良を改善してノイズを低減する。
サブトラクションの種類
- エネルギー差分法:異なるエネルギーで撮影した画像同士でサブトラクションを行う方法。
- 時間差分法:マスク像とコントラスト像を連続的に収集・処理を行う方法。
CR(コンピューテッドラジオグラフ)
構成・動作
CRはイメージングプレート(輝尽性蛍光体塗布)をレーザー走査によってX線画像をデジタル情報として取り出してコンピューターによって処理する装置。以下に構造を示す。
★図を挿入★
動作手順
- イメージングプレートに被写体透過後のX線エネルギーを蓄積させる。
- イメージングプレートを赤色のレーザービーム(633nm)で走査させる。
- 蓄積されたX線エネルギーが画像情報として青色蛍光(400nm)を発する。
- 青色蛍光を光電子増倍管で増幅して電気信号に変換し、A-D変換して画像処理を行う。
- 撮影後はイメージングプレートに白色光を当てて画像情報を削除する。
特徴
- リアルタイムでの観察が不可
- 増感紙ーフィルム系に比べてDレンジが広く、X線量に対する直線性に優れる
- X線CTと比較して空間分解能に優れる
CRで用いられる画像処理には以下の種類がある。
- 階調処理:各撮影部位に合った階調(コントラスト)を調節する。
- 周波数処理:ボケマスク処理によって任意の周波数帯域を強調して画像の鮮鋭化を行う
- ダイナミックレンジ圧縮処理:画像内の低濃度と高濃度の差を埋めることで診断可能域を広げる処理。
- エネルギーサブトラクション処理:※DSA装置に記載
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