放射線治療機器:がん治療学
医学的基礎知識
この記事の目次
がんの分類
腫瘍には悪性のものと良性のものがあり、様々な違いがあります。
それらの特徴を以下表に示します。
がん診断の指標にしたり、治療判定のために腫瘍マーカーというものが用いられます。
腫瘍マーカーはがんの種類によって特徴的に作られる物質を測定して結果を判定します。
例として以下のようなものがあります。
AFP - - - 肝細胞がん
CEA - - - 大腸がん
CA19-9 - - -膵がん
CA125 - - - 卵巣がん
SCC - - - 子宮頸がん
PSA - - - 前立腺がん
人体を構成している細胞は組織によって様々な機能や構造を有しており、細胞の分化度によっても悪性度が変わってきます。
分化度が低いほど細胞が未熟で活発的に細胞分裂をおこすため、悪性度が高くなります。
分化度は高分化→中等度→低分化→未分化の順番で低くなり、悪性度が増します。
腫瘍の分類と好発部位を以下に示します。
分類 | 好発部位 |
---|---|
扁平上皮 | 皮膚がん、頭頸部がん(舌、喉頭、咽頭など)、 子宮頸がん、食道がん、肺がん、 |
腺癌 | 肺がん、消化器がん(胃、大腸、直腸、膵、胆)、 乳がん、子宮体癌、前立腺がん、卵巣がん |
移行上皮癌 | 膀胱がん、尿管がん、腎盂がん |
造血組織腫瘍 | 白血病、悪性リンパ腫 |
良性腫瘍 | 腺腫、乳頭腫、血管腫、脂肪腫、線維腫、ほくろ |
他の療法との併用
異なる治療を組み合わせる治療のことを集学的治療といい、治療効果を高めたり、形態や機能を温存することによるQOLの改善の可能性があります。
例を以下に挙げます。
-
化学療法によって原発巣が消失したが、局所再発の可能性があるので放射線治療を行う。
-
手術後に、がん遺残の可能性がある場合や、切除断端にがん組織が認められる場合の術後照射。
集学的治療の組み合わせには手術、化学療法、放射線療法、内分泌療法、免疫療法、温熱療法、分子標的薬剤などがあります。
TNM分類
TNMとは病期の分類のことで、T、N、Mのそれぞれで、がんの進行度を表すことができます。
画像診断などの治療前に得られた情報に基づく臨床分類を cTNM であらわします。
cTNMに手術や病理組織検査から得られた知見で修正や補足された病理的分類を pTNM で表します。
分類は臓器の特殊性が考慮されたうえで、臓器ごとに決められています。
PS(Paerformance status)
PSとは患者さんの日常生活の制限の程度をスコアとして表したものです。値が小さいほど制限が少なくなります。
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