放射線計測学:測定の種類
エネルギー測定
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エネルギー測定
エネルギー測定に用いる主な検出器
α線 | β線 | γ線 |
表面障壁型半導体検出器 液体シンチレーション検出器 グリッド付きパルス電離箱 ガスフロー計数管 |
Si半導体検出器 プラスチックシンチレーション検出器 液体シンチレーション検出器 |
高純度Ge半導体検出器 NaI(Tl)シンチレータ Ge(Li)半導体検出器 |
γ線のエネルギー測定
γ線のスペクトル図
γ線のスペクトル図
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光電ピーク
- 放射線測定器に入射したガンマ線が、検出器に当たってすべてのエネルギーを電子に与えて止まるときに発生するピーク
- 全エネルギー吸収ピーク、全吸収ピークとも呼ぶ
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コンプトンスペクトル
- γ線がコンプトン散乱を起こし検出器から出て行ってしまう場合があり、この時にコンプトン連続部という連続的なスペクトルが観測される。散乱を起こす角度により電子に与えるエネルギーが変化するため、連続的なスペクトルとなる
- 散乱角が180°の時、電子に与えるエネルギーが最大となり、この時観測されるのがコンプトン連続部のもっと高い領域となる。この領域をコンプトン端(コンプトンエッジ)と呼ぶ
- Emax=Eγ/(1+(0.51/2Eγ))
Emax:反跳電子のエネルギー
Eγ:入射γ線のエネルギー
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後方散乱ピーク
- γ線が周囲の物質とコンプトン散乱を起こし、エネルギーを一部失った散乱γ線が再びシンチレータに入り光電効果を起こしたもの
- Emin=Eγ/(1+(2Eγ/0.51))
Emin:反跳電子のエネルギー
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カテゴリ:測定の種類
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